
うつ病と失業手当の話②
つづいてうつ病で失業した人の失業手当についてお話します。前回の「うつ病と失業手当①」を読んでない人は、先にそちらから読んでね!
1.自己都合ではない失業
そもそも、みずから会社を辞めるという状況と、辞めざるを得ないという状況は全く異なります。後者は会社で働き続けるのが困難な場合で、たとえばケガや病気(うつ病)などもこのケースに含まれます。
たとえ本人が働きたい、働かなければという意思があっても(うつ病にかかるとその意思すら失われてしまいますが)、毎日会社に出勤することが困難であったり、平常に業務をこなすことがむずかしいのです。

ですから、キャリアアップをはかって自主的に転職する人と、うつ病などで働けない人とでは、もちろん保障の手厚さにも差が生じます。
うつ病はかかりたくてかかる病気ではありません。育てられた環境、職場の環境、周囲の人間関係など様々な原因で発症する病です。
ましてや本人の気持ち次第で治るような病気でもありません。いつ治るかは分かりませんし、一生にわたって付き合っていく可能性もある病気です。なので、うつ病での失業は自己都合ではありません。
うつ病にかかった人は、どうしても思考がネガティブになりがちですので、「自分が精神的に弱いから辞めることになった」「自分は保障を受けられるような人間ではない」などと考えてしまうかもしれません。それはうつ症状のひとつです。
無理に考えや気持ちを変えようとしなくても大丈夫ですから、うつ病での失業は自己都合ではない、ということだけ認識しておきましょう。

2.うつ病で失業した人が受けられる保障
うつ病が原因で失業した場合は、具体的にどのような保障が受けられるのでしょうか。
受給までの待機期間が短くなる
自己都合での退職は、失業手当が支給されるまで3ヶ月間の待機期間があります。ですが、自己都合ではない場合は、7日間の待機期間で受給を開始することができます。といっても、手続きや説明会の日程の関係で数週間程度はかかる場合もあるので、注意しておきましょう。
給付日数が延長できる
うつ病が原因で失業した場合、必要な手続きを取れば失業手当の給付日数を延長することができます。
通常ならば、給付日数は90日です。ですが、うつ病の場合は300日に延長することができます。単純に言えば、3ヶ月で終了するはずの失業手当給付が、9ヶ月に延びるわけですね。
もし仮に月々の失業手当が10万円であったとすれば、普通なら総支給額は30万円ですが、手続きをすれば90万円を受け取ることが可能になるというわけです。
ただしこの制度、ハローワーク側から「あなたはうつ病なのでこの制度を利用できますよ」と教えてくれるわけではありません。もちろん教えてくれる担当者もいますが、全員がそうとは限りません。必ず自分から担当者に申し出ましょう。
ただでさえ罪悪感に駆られやすいうつ病の人にとって、この申し出は非常にストレスフルだと思います。しかも、周囲の人にも相談しにくい内容です。対処法は…もう、頑張るしかありません!この手続きが終われば、大丈夫!大丈夫!大丈夫!と自分を安心(暗示)させながら…。まーちゃんは、そんなあなたを、きっと、お空から見守っていますよ〜

必要な求職活動回数が減る
失業手当の受給期間中は、何もしなくていいというわけではありません。そもそも失業手当は、働く意思のある人(求職中の人)が対象で受け取れる保障金です。なので、だいたい1ヶ月に最低でも3回のペースで「求職活動実績」なるものを作らなくてはいけません。
しかし、うつ病が原因で失業し給付日数を延長した場合は、月に1度、認定日(受給者がきちんと規則を守ったか確認する日)にハローワーク担当者とやり取りするだけで、求職活動実績とみなされます。これ以上の求職活動は、原則として必要ありません。つまり、求職活動実績は月に1回で済むことになります。
可能ならば、積極的に他の求職活動をしても良いと思います。ですが、一般の人に比べてうつ病の人が求職活動を行うのは難しいでしょう。そういう人は、ハローワークが開催しているセミナーや講座などに行くのが良いかもしれません。座って講師の話を聞くだけで就職活動実績とみなされるので、リハビリ感覚で利用してみるのはどうでしょうか。
3.おや、ピッちゃんの様子が…
最後に、給付日数の延長の手続きについて詳しくお話し…て、あれ?
うわあああああああああああ!

またまたピッちゃんの頭がミステリーサークルになってしまったので、つづきは次の記事で。
では!

